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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2015/09/07(月)   CATEGORY: 雑記
リアリティーのある文章。
いま、藤沢周平の『隠し剣 孤影抄』を読んでいます。
これは様々な秘剣が出てくる短編集。この中の一編「宿命剣鬼走り」の冒頭で、鶴之丞という男が果し合いの末に死ぬのですが、その鶴之丞の遺体が家に運ばれたあとのさりげない文章に憧れを感じました。


卯女と千満太は、遺体から血に濡れた鉢巻と襷をはずそうとしていた。鉢巻も襷も濡れて結び目が固くなり、二人は解くのに苦労していた。


この「(血に)濡れて結びが固くなり」という表現に圧倒的なリアリティーを感じます。ちなみに卯女は鶴之丞の妻、千満太は弟。
自分だったら血の量や色で凄惨さをつまらなく表現してしまう気がするけれど、この思いつくようで思いつかない、絶妙な表現はさすがだな、と思わずにはいられません。この一文に、どうしようもなく死を感じるのです。大げさではない、現実味のある死の描写だなーと思わされました。

藤沢周平は中学のときに『たそがれ清兵衛』を読み、そのときはあまり面白さがわからなかったのですが、最近になってまた読んでみたらなかなか面白い。たぶん当時は剣劇が読みたかったのだと思う。でも、藤沢周平はそこに至るまでの過程が面白いわけですよね。ほかにも五味康祐の短編も過程こそが面白く、斬り合いは案外サクッと終わる。昔はそこの面白さに気付けなかったんだなぁ、と最近になって思うようになりました。
藤沢周平、孤影抄で3冊目。少し前に『秘太刀馬の骨』を手にとってから、また読むようになりました。『隠し剣 孤影抄』と『秘太刀馬の骨』は秘剣をめぐる話という点では同じで、藤沢周平のひとつのフォーマットなのかな、と思うのですが、そのうちほかのものも読みたいと思ってます。でも その前に『隠し剣 孤影抄』とその姉妹編『隠し剣 秋風抄』を読まなければ。

自分はどちらかといえば、動きを細かく描写するタイプですが、大事なところをあえて省略する技はぜひ覚えたい。
MUKUROはアクションを重視としたものなので全部に使うことはできないけれど、どっかでこの技を使ってみようかな。

最近は疲れがとれなくて、休日もなんとなく過ごしてしまいがちですが、そろそろ小説を書くことに復帰したいです。
先週までは色々と慌ただしかったけれど、やっと生活が落ち着いてきた気がします。

それに先日、妹が後輩たちと一緒にやった美術展を覗いたこともあって、自分の中の創作意欲を刺戟されました。
たとえ下手でも面白いものはあると気付いたので、たとえ下手でも面白いものを書きたいです。

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