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DATE: 2011/07/15(金)   CATEGORY: 業宿しの剣
業宿しの剣(4)
「あの、ありがとうございます」
 突然の出来事に戸惑いはしたが、とりあえず目の前の女性に助けられたのは事実だった。ゆめは素直に礼を云った。
「気にしなくていいよ」
 と槍を手にした女が云う。
「お名前は?」
「あたしの名前は鬼灯(ほおずき)。あなたは?」
「ゆめです」
 かわいい名だね、と鬼灯が云うので、ゆめは満更でもない気分だ。
 そのとき、鬼灯の背後から黒いものが見えた。――荒れくれものの大男ザンザだ。
 ザンザの躰が黒い靄(もや)のようなもので覆われている。それは妖気に似ていた。
「小、娘がァ……」
 ぎこちない口調でザンザが云った。
「なんだ、まだやろうって云うのかい」
 それには答えず、ザンザは黙って自前の巨刀を手に店を出ていった。
 ゆめには黒いものがより濃く視えていた。

 ***

 夜の川の岸をゆめは歩いていた。
 蛍のような青い光がふわふわと飛んでいる。光は水面から湧いて出ている。どうにも幻想的で、不思議な光景だった。
 ゆめは川の浅瀬に足を入れた。水は冷たく、皮膚をなぞる。青い光がゆめの周りに集まってきた。まるで花の蜜を求める蝶のように。
 ゆめが光に手を伸ばそうとしたとき、光がパッと拡散した。
 不穏な気配を背後に感じる。
 ゆめは振り向く。
 巨大な影。誰かが立っていた。
 見たことにある巨躯。――ザンザだ。
 ザンザの躰は黒い靄に包まれている。それは昼間視たときよりもずっと濃かった。もう靄ではなく霧といえるだろう。
 その双眸は煌々と赤く、人のものではない。
 それはまるで人外の、――
 ザンザは明らかに魔性を纏っていた。
 ゆめは悲鳴を上げそうになる。
 そのとき声がした。
「何してる」
 男の声。このとき、それしかゆめにはわからなかった。



<作者のことば>
タイトル決めました。「業(カルマ)宿しの剣」で、業の読みはカルマ。
最初から「業宿し」っていうのはタイトルに入れようと思ってました。

あと鬼灯は、先日ほおずき市に行った帰りに「ほおずき」ってキャラクター作ろうとなんとなく思って出来たキャラ。女性、槍。鬼灯って言葉のイメージからは浮かんだのはこの二つ。
キャラクター的には、強い女性って好きなので、そういうキャラにしたいなって思いました。

鬼灯を急に入れたので、展開がふらついてますけど、なんとかやっていきたいです。

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COMMENT

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ポール・ブリッツ | URL | 2011/07/15(金) 18:57 [EDIT]
タイトル決定おめでとうございます!

悩むんですよねえタイトル。

匡介 | URL | 2011/07/18(月) 10:35 [EDIT]
>ポール・ブリッツさん
正確には悩んでたというより、面倒だっただけです(笑)
それにタイトルつけると終わらせなきゃいけない感じがして、これのゴールどこなんだよ。。と自分でも思ってるのに、どうしよう・・と(苦笑)

終わらせられればいいのですが。。

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