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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2010/12/06(月)   CATEGORY: MUKURO外伝
MUKURO外伝(38)
 咄嗟の判断が生死を左右した。背後に殺気を感じ取った骸は反射的にその場を飛び退き、彼の真横を“それ”は横切った。一瞬のことだ。それは白い鎌だった。
 いま、骸に対峙している柩は、その手に白い大鎌を持っている。死神を思わせる。その表面の質感、それは骸の骨刀に酷似していた。骨鎌。そのような言葉が似合う。
「お前が躰の武器化するのを見て、俺もやってみたいと思ったんだけど、どうよ? これ」
 並々ならぬ狂気(オーラ)が柩から放たれていた。骸はそれを全身で感じる。柩の禍々しい迫力が大気を震わせ、大地を憤らせていた。
 骨鎌が一閃した。同時に骸の骨刀も奔った。刃と刃が交叉する。そして二合目。力と力がぶつかり合い、両者とも弾かれた。
 素早く体勢を立て直し、骸が疾駆する。
 遅れて柩が動く。だが迅(はや)い。勢いよく骨鎌が振り下ろされた。骸は飛び退いてそれをかわす。リーチは骨鎌の方があるが、懐(ふところ)に潜り込めれば骸の方が有利だ。骸は力強く床を蹴った。まるで疾風。一陣の旋風(つむじかぜ)。躰を回転させるように骨刀が斬り上げ、刃が柩の腹部を切り裂く。
 咄嗟に柩が骸を蹴り飛ばす。
 そして骨鎌がそのあとを追う。
 骸の左腕が宙を舞った。
 だが、渾身の力を込めて骸は反撃する。
感覚だけがスローになった世界で、柩がゆっくりと見下ろすと自分の胸に骨刀が突き刺さっていた。
 柩の口元が歪む。
彼は笑っていた。
「面白いよ、アンタ」
 柩の貌(かお)に浮かぶのは歓喜。愉悦の表情。
「だが、今回は俺の勝ちだ」
 そのとき、叫び声があたりに響いた。続いて骸は血臭を感じた。
 彼は振り返る。
 そこには異形の黒豹の牙に貫かれた未来の姿があった。



<作者のことば>
ちょっと今回短いかも?
話数的には地獄篇と並んだんですが、実質的な量としては外伝の方が少ないです。
この38話まででアバウト1万字くらい文字数違うらしく、結構短い回が多かったみたい。

で、今回思ったより骸 vs 柩の戦闘シーンが浮かばなくて残念。
今までと同じような感じでは嫌だし、文章的にも似たり寄ったりではつまらないと思ったので、そんな感じで長々と書くよりは必要最低限に抑えようと思い、こういった感じに。

もっと文章量を書こうと思えば書ける力が欲しいですね。
いつまで経っても未熟だなぁ。

ちなみに未来の描写が久し振りで、一体どうなってたっけ?と最後の登場シーンを探したりしました。
特にどうもなってませんでした。ずっと傍観してたみたいです。

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