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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2010/11/16(火)   CATEGORY: MUKURO外伝
MUKURO外伝(30)
 朝が訪れた。未来は将平の傷を簡単に手当したが、彼の腕の傷は深く、当分は動かせそうにない。本来なら、医師の治療が必要なのだろうが、この街で医師を探すのは困難であることは容易に想像が出来た。
 ――本当にそうだろうか?
 ふと、未来は思う。人々は襲われ、確かに街で生き残った人間は少ないかもしれない。……だが、病院に行けば誰かがいるのではないだろうか。
「ねえ、わたし将平を病院に連れて行きたいと思う」
 それはとてつもなく小さな希望。この魔界と化した街で抱くには、あまりに儚い。
 それでもその可能性に賭けてみたい――未来は思った。この状況下で人々を集まる場所はどこだろう? そう多くはないはずだ。大勢の人間が化け物どもに襲われ、殺されている。しかし、その中には生き残った人間も多少ながらいるはずだった。自分がいい例である。そして、命からがらに逃げ延びて負傷した人間が向かおうとする先は、やはり病院だろう。そこなら誰かしらいる可能性は決して低くはないはずだ。
「いいだろう」
 骸はそれだけ言って、将平に手を貸した。「行動するなら早い方がいい」
 そもそも行くあてなどあってないようなものだったから彼にとって向かう先はどこでもいいわけである。問題は、いかに未来たちを護るかということだった。彼の存在意義はその一点に集約されているのだから。
 だが、骸はある懸念をしていた。彼は未来の考えを察したうえで了承したのだが、人が集まるところはつまり化け物にとっても最高の餌場なのである。確かに病院を目指した人間を多いかもしれないが、そのうち何人が生き残っているだろう。もし無事に病院に辿り着いたとしても、人々が多ければ多いほど化け物に狙われる確率も大きくなるはずだった。
 ――それでも。
 骸の存在意義は人間を護ることにある。そこに誰かがいる可能性があるのならば、彼は危険を冒してでも行く理由があった。問題は未来たちの安全だが、それを護るために自分はいるのではないか。ただ全力を尽くして護ればいい。それに、この街に安全な場所などあるとはいえないのだから、結局どこにいても同じかもしれない。なにより未来自身、きっと危険は覚悟しているだろうことは容易に読み取れた。ならば彼は彼女に付き従うまでだと思った。
 小さな病院よりも、やはり大きな病院だろうということで意見はまとまった。小さな病院、あるいは診療所の類いの方が危険は少ないかもしれなかった。それと同時に誰かがいる可能性も低いように感じられた。人が集まるならやはり大病院である。一番近くにある大きな病院は、数時間歩けば着く距離にあった。
 目的地は定まった。一同は再び魔界の地を歩み出した。




<作者のことば>
納得のいかない文章なんだけど、どうしたらいいかわからずそのまま。
誰か……、誰か僕にアドバイスをください。


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