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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2010/08/28(土)   CATEGORY: MUKURO外伝
MUKURO外伝(24)
 ひとつの危機は去ったが、新たな敵が二人の前に現れた。化け物たちは彼らに休息の時を与えてはくれないらしい。新たな敵は、建物内の壁にひっついている中でもひと際巨大な繭から誕生した。
 それは巨大な蛾だった。
 しかもそれはただ大きなだけではない。その蛾は繭を突き破ると同時に巨大な翅(はね)をゆるやかに羽ばたかせ飛翔した。そのとき未来は蛾の腹部を見た。そこには、大きな口がいやらしく開いていた。
 その口は、蛾の躰と同程度ほど巨大なものであった。またしても異形。まさしく魔界の生物。未来は自身の躰が強張るのを感じた。
 新たに現れた敵に対して、骸の行動は素早かった。俊敏に駆け出し、骨刀を構えて蛾に向かって跳んだ。彼の跳躍力は人間のそれではない。空(くう)を浮く蛾の高さまで容易に到達するだろう。
 ――だが、彼は敵の高さまで届くことはなかった。巨大な蛾はその巨大な翅を大きく羽ばたかせ、強風を巻き起こし、彼の勢いを失わせた。風に煽られた骸は、手に持つ骨刀で敵を斬り裂くことなく地上まで押し戻され、着地させられることを余儀なくされた。
 蛾がその翅を羽ばたかせるたびに、そこから鱗粉が空中に舞い上がった。宙を舞う微小な粒子は風に乗って、骸たちに吹きつけられた。それは骸に対しては何の効果をなさなかったが、鱗粉をまともに受けた未来は全身が痺れるような感覚に襲われ、身動きが出来なくなった。
 骸は再度跳躍し、蛾に襲いかかろうとしたが、またしても翅の巻き起こす風が彼を妨げる。
 突然、宙を羽ばたく蛾の躰が蠕動(ぜんどう)を始め、腹にある大きな口から黒い何かが地に落ちた。それは始めうずくまるように丸まっていたが、むくりと立ち上がり、その姿が明らかになった。それは人のような姿をしていた。だが、人ではない。シルエットは人間と瓜二つだが、肌は青紫の色をしていて、両目がなかった。髪もなく、つるりとした頭部に唯一ある口にはギザギザとした歯が窺える。何よりそれは小さく、未来の身長の半分ほどしかない。皮膚はヌルヌルと粘液のようなもので覆われている。
 巨大な蛾から産み落とされた青紫の小人は、立ち上がると同時に未来へと飛びかかった。骸は機敏に彼女を護り、小人を斬り伏せる。
 蛾は再び青紫の小人を産み落とした。一匹、二匹と立て続けに地に落とされる小人たちはキィィとかん高い叫びをあげて骸に襲いかかった。彼はそれを順序よく薙いでいったが、数で圧倒していく小人の群れに、いずれ捌き切れなくなり、小人のうちの一匹が彼の脚に飛びついた。思わず骸はバランスを崩す。その機を逃さず小人たちは彼の躰に飛びかかり、全身にしがみつかれた彼はそれ以上敵を薙ぎ倒すことが出来ない。
 未来は無防備だった。蛾の鱗粉による麻痺で全身が思うように動かせない。しかも鱗粉を吸ってしまったらしく、呼吸までもが上手く出来なかった。ヒューヒューと不規則に空気が漏れる音が彼女の喉からしている。
 骸は、自分の躰にしがみつく小人の一匹の頭を手で掴み、それを地に叩きつけた。小人の頭は潰れ、粘つく液体が飛び散る。彼は他の数匹も力任せに投げ飛ばした。
 残った小人がギザギザとした歯で骸の躰に喰らいつき、彼はもがいた。もう一匹の小人が骸の手から骨刀をもぎ取り、床に放る。骨刀を奪われた骸だが、彼はまた一匹異形の小人を投げ飛ばし、躰に喰らいついている一匹は床に圧しつけて潰した。
 投げ飛ばされた小人が再び襲いかかろうと骸に向かったが、彼に渾身の蹴りを放たれ小人は吹き飛ばされ壁に当たって動かなくなった。




<作者のことば>
実際、2日に1回の更新ペースを維持するのって結構しんどい。
書けるときは書けちゃうけど、あまり気分が乗らないときや他のことに時間を割きたいときもある。

それでも出来る限りはこのペースを維持したいと思う。

これはちょっとした驕りかもしれないけど、一人でも続きを待っていてくれる人がいるなら、俺はこのペースを維持していきたい。
たまにはたくさん書けて、早く読んでもらいたいときもあるけれど、やはり俺は2日1回ペースを心掛けている。毎日覗いてくれる人はそれでもいいかもしれないけれど、たとえば週に1度だけ覗いてくれる人がもし居たならば、あまり更新されていても読むの大変だと思うから。

これは自分自身がそう思うから、こういうルールを自分に作っている。

文章量もあまりに多いと俺は萎えるんで(笑)、あまり多過ぎず、だからといって短過ぎないように気をつけているのだけれど、何か意見があればいつだってお待ちしています。

せっかく来てくれる方々がより楽しめるように、読みやすいように、俺は俺なりに気をつけているつもりだけれど、もっとこうした方が~ってアドバイスがあれば多いに参考にさせて頂きますので。
今のようにブログで小説を書き始めて何年か経つけれど、未だにこういうことは何がベストなのか悩んでいる。作品だけではなくて、他の部分でも改善していけるところがあればそうしたいと思う。

この場にあるのはどれも拙作ではありますが、ここを訪れてきてくれる方々には、ひとりでも多く楽しんでもらいたいと思ってます。


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