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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2010/05/09(日)   CATEGORY: 雑記
(鮮血/暗闇/青白い/女の/笑みだけが残る)
 彼は両手を紅く染め、ゆらりゆらりと幽鬼の歩調で闇夜を彷徨った。
 今夜は月すら出ていない。彼を、あるいは彼の行く先を照らすものは何もなく、ぬるい夜風だけがゆったりとくっついてくる。血臭がそれに混じって辺りを漂った。
 全ては彼女の為なのだ――
 彼の脳裏に浮かぶのは一人の女。唯一の希望。鮮烈に幻視したかと思えば、女の姿は陽炎のように揺らめき、淡く消えていった。
「ああ、」
 蚊の羽音の如くかすれた吐息。それに混じる声には生気がなく、ただ漏れていくだけのようだった。
 額を流れる一筋の汗を拭う。それと同時に顔が血で汚れた。彼は自分の両手を見る――紅。血の紅。
 彼の口元から名前が零れた。それは彼自身すら聞き取れないほどか弱い声だったが、それでも彼は女の名を呟いた。その女の名前は――


***


 一切の生気を放っていない双眸。どこに焦点を合わせているのかもわからず、もはや亡者のそれに近い。
 彼はもう死んでいる――そう、石動 葉流嗚は思った。彼はもう死んでいる。
 辺りを漂う、胸糞が悪くなるようなこの生臭さは、おそらく彼の浴びている多量の血のせいだろう。
 後方から聞こえてくる蛩。その主が誰なのかは想像に難くない。
「――儀同君」
 急に名を呼ばれて、儀同 真理雄はびくっとした。この男には、背にも眼があるのか――?
「君の考えていることはおおよそ見当がつく。そもそもそんな品のない駆け寄り方をする人間が、他に誰がいるというのだね?」
「品がないって――」
「慌て過ぎだよ。君はいつも落ち着きないね」
 真理雄はどうしたらいいのかわからないといった風に頭を掻いた。
「それで、彼は?」
 頼りない相棒の問いに、葉流嗚はもう一度幽鬼の歩む闇を振り返った。
「……おや?」
 しかしそこにはもう闇だけだった。男の姿はない。
 闇だけが、そこに残っていた。


***


 男が倒れている。その男の頭を膝に載せ、女は男の頭をゆっくりと撫でていた。
 誰かが――来たようだ。
 女は、自分に近付いてきた男二人を見上げ、ふっと笑った。
 儚く、近づくだけで脆く崩れ去りそうな笑み。
「ついに、ここまで辿り着いたんですね」
 黒尽くめの男が女を見下ろした。
 その表情は、陰になっていてよく見えない。
「どうしてそんなに哀しそうな顔をするのかしら?」
 黒尽くめの男の後ろには、やや頼りなさげな男の姿が窺えた。
「あら、真理雄さん。あなたはきっと、わたしを許してはくれないんでしょうね」
 真理雄と呼ばれた男が黒尽くめの男を押し退けた。
「どうしてですか? どうして! どうしてこんなことをしなければならなかったんですか……」
 男の眼には涙が浮かんでいた。
「もう止めにしましょう」黒尽くめの男が云う。「――瑠未歌さん」


***


 進藤 夏二郎の皮膚はまるで蝋のように白く、生気を失っていた。青白い血管が透けて見えた。
 かつての友人の有り様を見て、儀同 真理雄はどうとも云えない感情が湧き上がり、そして渦巻いた。
「気持ちはわかるが、落ち着け」
 石動 葉流嗚は一歩前に出て、堂島 瑠未歌と対峙した。
「瑠未歌さん。あなたのしたことは全てわかっています。――あなたが瀧夜叉だったんですね?」
 女は微笑み、葉流嗚に云う。「ええ、全てはわたしが仕組んだことです」
「あなたは、自分が直接手を汚すことなくこれだけの人を殺めた。もう充分過ぎるほど、お父上の仇は取れたんじゃないですか?」
「煙草を1本いいかしら?」
「どうぞ」葉流嗚の言葉を聞いて、女がどこからか箱を取り出し、煙草を1本摘んだ。それを銜え、ライターの火を点ける。火は煙草の先端に移り、ゆっくりと紫煙を燻らせた。どこか色っぽさを感じさせる手つきだと真理雄は思った。
「そうね。父の仇は取れたのかもしれない」
「もう何もかも終わったんです。だから、その彼をこちらに渡してください」
 女と横たわる夏二郎を囲んでいるのは鮮烈なまでの紅。大きな血溜まりが、辺りむっと血の匂いを漂わせていた。
 女の紅い唇が笑う。
「でも、もう何もかもが終わったというのは間違ってるわ。まだ終わってない。やるべきことが残ってるから」
 甘い匂いが真理雄の鼻腔を突いた。なんとも云えぬ甘い香りだ。
「一体――」
 云いかけて、葉流嗚が不意に片脚をついた。
 どうしたのだろうと真理雄が手を伸ばそうとしたが、体が上手く動かない。意識がぼーっとして、目蓋が重かった。
「これは……」
 立っているのが辛くなって、真理嗚はよろめき、そのまま体勢を崩した。急に床が近くなり、慌てて手を突き出したつもりが両腕は云うことと聞かず、体はそのまま床に倒れ込んでしまった。全身が脱力している。まるで動けない。
 おぼろげな意識の中で、真理雄は女を見遣った。すぐには焦点が合わず、しばらくぼやけた像を見つめた。
 そして――女の紅い唇。
 紅い唇が笑っていた。
 それだけが鮮烈に記憶に刻まれ、真理雄の意識はゆっくりと沈んでいった――。





特に意味はない断片小説。
ふと浮かんだ断片的なシーンのみで構成されていて、ストーリー性などない。ただの暇潰しであ~る~。

さて、GW最終日は初めて赤羽に出向きまして、ブックオフに行きました。
そこでPlastic Treeというバンドの『Cell』というアルバムを見つけてしまい、04年発売の物なのにほぼ定価で買うというまさかの出費。……実はこのバンドのアルバムってなかなか手に入らなくて、初期のアルバムをブックオフで見つけるなんて奇跡に近い。Amazonでは同じアルバムが4980円らしく、2950円で買えたのはまさに幸運。見つけたときはびっくりして「ひゃーー!!」って感じだった。

それをきっかけにブックオフ巡りが開始され、これは最初から予定していたのだけれど次に十条(ここも初めて)のブックオフに。
そして池袋駅から徒歩で目白、高田馬場北、高田馬場、要町…と豊島区を歩き回り、もう久々に歩いて疲れた! もう体が限界を超えたのか、帰るため池袋駅に向かう途中に突如鼻血出たからね! 別に日常的に鼻血出るからそれほど驚かなかったけど、結構とまらなくて焦った!!

で、あとで鏡見たら目の下のクマが酷くて、ものっそいゾンビってました。デス顔!!(叫)

しかも人身事故の影響で電車がストップしているという不運が重なり、駅でゾンビみたいな男が呆然と立ち尽くしているというホラーな展開になってました。
1時間くらい足止めされて、帰ったらぐったり。。 もう動けなかった。

翌日には午後に同じく池袋から大塚方面に出向き、豊島区のブックオフをコンプリート!
以外と区内って歩けるものだなーって思った。すっげー時間かかるけど。

土曜には午後から新宿駅まで電車に揺られ、そこからブックオフ巡り新宿区編がスタート。
大久保、靖国通り、代々木、早稲田、飯田橋のブックオフに行き、新宿区も制覇!! ちなみに高田馬場もあるんだけど、それはGW最終日に行っていたので。そして代々木はもう渋谷なんだけど、行ける距離だったので。

帰りは飯田橋から池袋まで歩いて帰りましたYO!!
道わからなくて時間はかかったけど(極度の方向音痴。このブックオフ巡り中に何度も迷ってしまった)、案外池袋~新宿間くらいだったら歩けるなーって思った。……もしや23区の半分くらいなら歩いて移動できるのでは?(いや、さすがにきついか)

そして池袋に着いた直後にまた鼻血。
トイレで手に付いた血を水で流していたのだけれど、辺りが血まみれになるというホラー!! そして鏡見たらギョッとした。またもやゾンビ!! 顔がデスってる!! 目元やばい!!

どうも、7時間くらい歩いてたみたいで、もう体力的にくたくたでした。

特に書くこと思いつかなかったので、そんなブックオフ回ってるよって話でした。まるで巡礼者みたいだね。
ついでに神社も探したりしてるんだけれども、ブックオフ巡り後半はもう暗くなってしまって、神社なんて怖くて行けない(笑) 終電近くで帰ることになるので、そんな遅くに神社なんて行きたくありません!!

あと、先日蝉が鳴いてました。
早いよ! もう夏はすぐそこらしい。

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COMMENT

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ポール・ブリッツ | URL | 2010/05/09(日) 13:38 [EDIT]
こないだ遠出したとき、現地の古本屋へ行ってみたら、クレイグ・ライスの推理小説「スイート・ホーム殺人事件」が置いてあり喜んだのだが、値段を見てガッカリして帰る。あんな値段をつけるんだったら安い本の棚に置いておくんじゃない! とほほほ。

でも買っとくんだったなあ。

たろすけ(すけピン) | URL | 2010/05/10(月) 13:12 [EDIT]
ブックオフ巡り、お疲れ様です。
鼻血が頻繁に出る体質、治るといいですねw

ライム | URL | 2010/05/13(木) 17:39 [EDIT]
ブックオフ攻略、お疲れさまです!
匡介さんの突然のアクティブに驚愕いたしました。
作品と後書きを総合すると、この女性が用いる殺害方法は……周囲の男性に大量の鼻血を出させ、出血多量で死に至らしめる……ということでいいでしょうか?(笑)

匡介 | URL | 2010/05/16(日) 00:55 [EDIT]
>ポール・ブリッツさん
それは残念でした。
自分は本との出会いは一期一会だと思っているので、欲しいと思ったら買ってしまうタイプです。全然読んでないので部屋に本だけが増えていって困ってます……

もし次の機会があれば、ぜひ買ってくださいませ!

匡介 | URL | 2010/05/16(日) 00:58 [EDIT]
>たろすけ(すけピン)さん
ありがとうございます。
まぁ 小学生のころからなので、たぶんこのままなんじゃないかなって思ってます。
最近は以前より頻度が増していて、ポケットティッシュ手放せませんね~。何個か持ち歩いてないと不安です。。

匡介 | URL | 2010/05/16(日) 01:03 [EDIT]
>ライムさん
普段は複数のタスクに隠れていますが、実はアクティブな一面もあるんですよ~(笑)
フットワークだけは軽いつもりなので(しかし重い腰を上げるまでが大変。。)、今後も勢いよく攻略していこうと思ってます!! 目指せ23区制覇!!

てか、それって鼻血を出させる特殊能力か何かなんですか?(笑)
いずれ俺も出血多量で倒れる日が来るかも。。

ひー!!

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