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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2010/03/22(月)   CATEGORY: MUKURO・地獄篇
MUKURO・地獄篇‐22 (遭遇Ⅳ)
 響き渡る悲鳴が、望美の耳朶を震わせた。
 耕太を連れて柳瀬の行方を追っていたのだが、階段を下りていくと柳瀬が後方を巨大カマキリに、前方を化け蜘蛛に塞がれている姿が見える。
 化け蜘蛛の大きな口が、柳瀬の左腕を捕らえた。
「きゃっ」
 望美は思わず声を上げてしまった。
 しかしそれはすぐに柳瀬の悲鳴に掻き消される。
 そのとき、黒い影が望美の視界に入り込んだ。
「ヌォオオオオオオオ――!!」
 野太い叫びが大気を震わせる。
 それは、化け蜘蛛の叫びだった。
 同時に柳瀬の左腕が解放され、彼は床に倒れこんだ。
 化け物のボンネットの上に立つ、一つの影。
 望美はそこに男の姿を認めた。
 そのとき彼女はまだ知らなかったが、そこに立つのは骸。
 その手には彼が自ら体内から取り出した骨刀。それが化け物に突き刺さっている。
 骸は素早い動きで車体の下に回り、前脚の片方を切断した。
 化け蜘蛛がバランスを崩す。
 そんな彼に巨大カマキリの鎌が飛んできた。
 それを真正面から受け止めてしまった。血が噴き荒れる。
 傷に構わず骸が跳んだ。骨刀がカマキリの首を捉える。
 カマキリの首が落ちる。
 その巨大な頭が地面に転がった。
 化け蜘蛛の突進。
 骸は建物の外に吹き飛ばされた。
 ミシミシと骨が軋む音。
 地面に転がった。
「今だッッ!!」
 骸が叫んだ。
 ホテルの前に停まっていたランドクルーザーからポリタンクを手にした詩帆が現れ、骸に駆け寄った。
 彼女に化け蜘蛛が襲いかかる。
 骸は起き上がり、化け蜘蛛の前に立ち塞がった。
 化け蜘蛛の牙が骸の体にめり込む。再度、血、血、血血血血血。
 詩帆は渾身の力を込めてガソリンの入ったポリタンクを放り投げた。
 骸は無理やり化け蜘蛛の牙から脱け出た。肉が抉れる。
 宙を落ちるポリタンク、それを骸の腕が受け取る、そして中のガソリンを化け蜘蛛に降りかけた。
「これ!」
 詩帆はライターに火を点け、投げる。
 引火。
 化け蜘蛛の体が轟々と炎をあげた。
 ゆっくりと動きを止め、そして崩れるように倒れた。




<作者のことば>
ここのシーンはもっと言葉を多く使えたはずなのに、面倒になったのか少ない文章になってしまった。
もっと緊張感あるシーンにしたかったんだけどなぁ。

しかしながらついにキャラクター同士が出会い、物語はいよいよラストに向かって動き出したことが実感。
最初の熱を取り戻して、面白いストーリー、魅力ある文章を書いていきたい。改めてそう思う。

どうでもいいけど、ここまできて骸を登場させなかったストーリーもまたよかったなぁ、なんて思ってみたり(笑)


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COMMENT

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浅葱 | URL | 2010/03/23(火) 09:09 [EDIT]
ついに登場人物が集結し始めましたね!!
この物語がどういう結末を迎えるのか楽しみな様で
でも終わってほしくないなぁとも思ったり…
いつも仕事の帰りとか楽しんで読んでるから♪

ワタシは骸が出てきてから なんだろう…上手く言えないですが
全体に動きが出てきた感じで面白いですよ!!

匡介 | URL | 2010/03/23(火) 10:05 [EDIT]
>浅葱さん
今まで別々で活躍してきたキャラクターが一堂を会すのは、個人的に凄く好きなパターンなので、そういって頂けると嬉しいですね♪(笑)

しかし骸というキャラクターが自分の中でイマイチ固定されていないので大変です(汗)
それに加えて、よりアクション的というか、マンガ的なアクション要素が濃くなってしまっていて、骸の扱い難さを倍増!
これは明らかに自分の技量が足りないことが原因なのですが、たまにもう放棄したくなっちゃって……。

それでも浅葱さんのような読者がいてくださる限り、この物語は完結させたいですね。
ちょっとだけ言ってしまうと、今作のラストは気持ちよく受け入れられてもらえるものか自信はありません。

どうなんだろ~??と思いつつ、そのラストに向かって書き進めています(笑)

何はともあれ、応援ありがとうございます!!
ちょっとしたコメントでも凄く励みになるので嬉しいです!!

ちなみに、ひそかに外伝の構想もあるのですが、それについてはどうでしょう?←さりげなくアンケート(笑)

浅葱 | URL | 2010/03/23(火) 20:51 [EDIT]
仲間が集結するっていいですよね~!私も大好きです、そういうの!!
骸が登場してから毎回扱いに困っているという感じの事言ってましたね~(笑)私は好きなんだけどな( ̄∇ ̄*)ゞ
作品が自分の技量のなさで例えば面白みに欠けるとか思うと
くやしいような、もっと練習せねば!!とか思ったり…

いや私も今一つの作品を描き上げようとしてるのですが…
正直腕が追いつかん(笑)!!

と、ちょいそれましたが 読んでる方としては面白いってばよ!
しかも外伝構想があるですと!?見たいに決まってるじゃないですか!!

何やら↑記事見て、元気ないですか??
何があったかはわかりませんが元気出してくれ!!

匡介 | URL | 2010/03/23(火) 21:28 [EDIT]
>浅葱さん
長く引っ張れば引っ張るほど、集結したとき興奮しません?
別々で活躍してたキャラクターが揃ったときのオールスター感は堪りません(笑)

マンガでも、出来れば最初の5巻とかで出会っちゃうんじゃなく、16巻くらいでついに勢揃い!!って展開だとやばいです(笑)←何巻までの設定なのだろうか?(笑)

骸に限らず、今回は本当にどの登場人物にもキャラクターを与えてなかったので、ただ必要な人員を確保しただけって感じなんですよ(汗)
なので進めながらキャラクターが作られていっているという、それどうなの?って書き方しているのですが、骸は後半に出てきたキャラクターなのでまだ全然キャラを掴めてません(笑)

セリフもすごく困るんですよ!
骸の言葉遣いやキャラクターとしてのテンションやトーンがさっぱりわかんないんです。。

もしかしてキャラ固定されぬまま終わってしまうかも?(苦笑)

外伝は地獄篇とはややテイストを変えて書いてみようかなって思ってます(書くとしたら)。
長く書いていると途中で文章が雑になったり、シーンの運びが上手くいかなくなってしまうので(持久力がないんですよね。。)、外伝として改めて書くことで今作で得たものをキチンと表現してみたいとう気持ちがあるんですよね。

まあ、軽い気持ちで待って頂けると嬉しいです(笑)

実は壮絶に元気なかったのですが、徐々に持ち直してきてはいますのでご安心を!
浅葱さんのコメントにもまた元気をもらったので大丈夫そうです♪

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