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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2010/02/10(水)   CATEGORY: MUKURO・地獄篇
MUKURO・地獄篇‐11 (邂逅-Ⅰ)
 突如現れた浮遊魚を殺して、家を飛び出た柳瀬 隆は外の異変を知って驚愕した。
 まるで世界が地獄に変わってしまったかのような惨状である。
 異形の化け物がそこら中に蔓延(はびこ)り、人を襲い、喰らっていた。それに人々は恐怖し、悲鳴を上げ、泣き叫び、無抵抗のままに引き裂かれ、弄ばれるかのように殺されていった。
「一体、この世はどうしてしまったんだ。地獄の蓋が開いたとでもいうのか?」
 柳瀬はどこまでこの地獄が続くのだろうと考えた。想像もつかない。自分はどうしたらいいのか、どうするべきなのか、他の人々同様に、彼もまた生きる指針を失ってしまったのである。
 ――しかし、彼は生を諦めたわけではなかった。
 きっと何か解決策がある。今は何も思いつかなくても、それがわかるまで生き延びなくては。力強く、そう思った。
 まずは武器が必要だと思い、彼は近くの建物を物色して、モップの柄を削って即席の槍を作った。まるで原始人だと自分を笑いながら、必死に削り鋭い穂先を作った。
 化け物は殺せる――それを実践したからこその確信。
 柳瀬は基本は逃げ、いざとなったら化け物を殺すという方針を立てた。
 本当に殺せるのかはわからない。先ほど自分が殺せたのは単なる偶然なのかもしれない。そんな危惧もあったが、何もせず指をくわえて殺されるのだけは真っ平だった。だったらどんなに些細であっても、自分は最後まで抵抗してやる。そう心に決めた。
 しばらくは目的なく彷徨っていた。あの化け物どもに対抗するには仲間が必要だと感じたが、ほとんどの人間はすでに化け物どもに捕らえられてしまっていて、助けることもできなかった。しかし中には懸命に逃げ延びている人間も見ることができたので、その希望は捨てなかった。ただ自力で生き延びた人間は他人を信用していないらしく、近付けすらできなかったが。
 そんなとき、一台の車が見えた。モスグリーンのランドクルーザーだ。
 もし車を持っている人間を仲間にできればなんと心強いものか! 柳瀬は車のあとを追った。
 するとランドクルーザーは急に曲がって、横転してしまった。
 ――何かあったのか?
 警戒しながら車に近付く。
 女が倒れていた。
 彼女が起き上がる。
 体中を地面に打ってしまったようだった。
 彼女は横転したランドクルーザーを見つめていた。
 背後には、男の影。――男?
 あれは――人間ではない。
 化け物だった。
 やつらの仲間だった。
 眼が飛び出るように伸びて、うねうねと動いていた。
 それはレウコクロリディウムのようであった。
 カタツムリに寄生する、レウコクロリディウムという生物を柳瀬は知っていた。
 寄生したカタツムリの目――触角に移動して、膨れ、脈動させることによってカタツムリの触角を芋虫に擬態させ、鳥に食べられるように仕向けるといった寄生虫だった。
 男の眼は、そのレウコクロリディウムに寄生されたカタツムリを思わせる。
 そして口からはピロピロとピンク色をした細い触手が何十本も蠢いていた。
 柳瀬は覚悟を決めて彼女に駆け寄った。
 彼女は背後にいる化け物に気付いて、声を上げた。
 渾身の力を込めて、柳瀬は手に持つ槍で化け物の顔面を貫いた。
 彼女がこちらを振り向いた。
 彼女は――三浦 望美といった。



<作者のことば>
ついに物語が物語として動き出したという感じでしょうか。……長ぇよ(笑)
ちなみにレウコクロリディウムっていうのはそれはそれはグロテスクな寄生の仕方をするやつで、知っている人も多いかもしれないけれど、知らない人は検索すれば簡単に画像やら動画やらは見れる。
ただ見てしまったあとのことまで責任は取れないからね! 苦手な人にとってはショッキングな映像だと思います。

ダークな世界を描くには、もちろん脳内でそれを再現するわけで、僕の頭の中はあんなものやこんなものでグチャグチャしていてネチョネチョしていて、うわっ 何これ!? 何か踏んだ!! ひぃー!! な惨状になっているわけなのだけれど、そんな世界を想像するには気分からダークに染まる必要がある。

そんなときに活躍してくれるのはメータールーおーんーがーく~!(ドラえもん風)

いや、メタルに限らないんだけれど、これまでへヴィロテしていたものをちょこっと紹介しようかい(ダジャレ)。

清春…いや、黒夢も好きなんだけど今回は清春へヴィロテっていた。特に前半は清春。
Plastic Tree…Vo.の声が素敵です。アアン、イッちゃいそう♪(はいはい。) 個人的には「不純物」が好き。
ムック…ムックムックこんにちは、じゃねえや(オイ)。ムックいいよ、ムック。
凛として時雨…正直、これはへヴィロテってほど聴いていない。が、ちょっと久々に聴いたら時雨良かった。


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COMMENT

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ライム | URL | 2010/02/10(水) 18:51 [EDIT]
主人公かなと思って読んでいた安生氏がゾンビ化して、びっくりしました。
しかし読んでるとあまりのリアルに情景を脳内ヴィジュアライズしてしまい、頭痛がしてきたので、暫くコメを失礼してました。
その情景を脳内実演してる最中の匡介さんに声をかけたら「見いいいいたなああああ~!」ってなりそうです(笑)
Plastic Tree、大変好きです。『不純物』はカラオケの映像がアレなんで、一緒に行った友人の手前、きまり悪かったです。
私見ですが、Plastic Treeの曲で一番エロいのは『イロゴト』だと思います。お聴きになれば分かりますが、完全にイッテいます(笑)しかし、このコメ、スパム判定されんだろうか……。

匡介 | URL | 2010/02/10(水) 22:23 [EDIT]
>ライムさん
スパムにはならなかったようです(笑)
この作品では誰がどうなるかわからない感じを全面的に押し出していきたいと思ってます。
予定にはなかったけれど、今はもっと登場人物増やしたいなって思っているので、このサバイバルで誰が生き残ることが出来るのか、ドキドキしながら読んで欲しいです。

しかし!!
まさかライムさんの気分を害してしまっていたとは申し訳ありません。もっと容赦ない描写を書いていけたら!と思っていたのですが、そうなるとライムさんに嫌がらせになってしまいそうなので、そこはもう少し考えた方がいいのかもしれませんね(汗)

ライムさんがプラのこと大変好き(“大変”ってのにやられました(笑))なのを知らなかったら、僕の目は余程節穴か、ライムさんのブログを見ていないってことになってしまいますよ!!
そもそも俺は、ライムさんがすごいハマっているのを見て、聴くようになったので(笑)

てか、俺は有村さんの声が大体にしてエロいと思います(笑)

ライム | URL | 2010/02/11(木) 06:08 [EDIT]
再コメ失礼します。
いえいえいえ……!!
嫌がらせとか、気分を害するとかは全然ないので(汗汗焦)どんどんいっちゃってください。
頭痛とめまいがするほどのリアル、むしろ大変好き(笑)ですので。
もっと容赦ない描写、まぢ楽しみにしております。

匡介 | URL | 2010/02/12(金) 12:06 [EDIT]
>ライムさん
それって、、まさか、、、マゾですか?(笑)
ライムさんの了承を得たので、大変容赦ない描写を書いていこうと思います!!(笑)

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