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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2009/07/24(金)   CATEGORY: 短篇小説
ガールズ・ファンタジア -白日の幻- (2)
 中学三年の冬。私たちはお互いに違う高校を受けることになっていた。
「もうすぐ卒業だね」
 卒業。そのあとたちはおそらく違う高校に進む。そして別々の人生を歩むのだろうか。
「高校は違っても、ずっと一緒だよ」
 ちょっと泣きそうになって、でも涙をこらえて私は笑った。うまく笑えてたかわからないけれど、無理してじゃなく、本当に嬉しかったから笑えて、改めて加奈のことが好きだと感じた。一生かけて付き合っていきたい。そう思った。

 冬休みに入り、お互いに受験勉強で忙しく、なかなか会うことができなかった中で、その日は久しぶりの待ち合わせだった。
 だいぶ風は冷たく、気を抜くと風邪でもひきそうな雰囲気がある。受験を目前にして体調なんて崩していられないな、と加奈を待ちながら思った。時計を見ると、待ち合わせの時間は過ぎている。仕方なくメールを打った。それを送ってからしばらく待ったが返信はこない。
 ――おかしいな。
 あまりに遅いので今度は電話をかけてみた。いつまでも繋がらず、諦めて加奈からの連絡を待った。
 そのときだった。
 携帯電話が鳴り、加奈だと思ってすぐに出たら、相手は加奈ではなくて遊月だった。
「どうかした?」
 遊月の様子がおかしいことにはすぐ気がついた。
「どうかしたのか?」
 つい語調が強まるのを感じる。
「あのね…」妹の声は震えていた。「加奈が交通事故に遭ったって」
 ――え?
 空白。思考は停止し、言葉を失った。
 妹は何を言った――?
 混乱。思考と感情が処理できていない。
 落ち着け。落ち着け。落ち着け落ち着け落ち着け。
 そのまま私は遊月から聞いた病院まで全速力で向かった。すでに加奈の両親は着いており、加奈のいる部屋の前で泣いているのが見える。
 ――まさか。
 否定。自分の考えを否定する。打ち消そうとする。
 しかし思考は止まない。
 考えるな。考えるな考えるな考えるな――…

「加奈」

 扉を開けた向こうにいた加奈は、静かに寝ていた。そう、とても静かに。




<作者のことば>
何か短い?
毎回区切るラインに悩むのです。

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COMMENT

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● こんばんは!
鷹の爪痕 | URL | 2009/07/26(日) 02:25 [EDIT]
あぁ、区切る所って意外に悩みますよね!
私も、「ここで区切るよりもう少し書いちゃった方が…」などとよく悩んで、その時々で妙に長くなっちゃったり、短くなったり…。

ある連載作家さんは「盛り上げどころで終わらせる」とも言うし、他の方は「敢えて盛り上げた後、余韻を残す為に少し伸ばす」と言うし…。
要は「ポイント」が大事なんだそうですけど、何せ文才の無い私は未だに悩みつづけてますよ…えぇ(´;ω;`)

でも、今回のお話の終わらせ方は、私は好きですよ~!
「次、どうなるんだろう?」って早く続きが読みたくなりましたもん♪


匡介 | URL | 2009/07/27(月) 08:25 [EDIT]
>鷹の爪痕さん
悩みますよね~。短い過ぎず長過ぎずにしたいんですけど、難しいです。
というか全体的に同じような文章に量で載せていきたいんですけどね。

ちなみに自分は次に引っ張るタイプです。
自分の場合、長いといっても所詮大した量ではないので、小説に引き込むには引っ張ることが大事だと思っています。まぁ 内容によっては余韻を残すカタチにすることもありますけど。

区切るポイントは今後も課題ですね~。もっとバランスよく書けたら悩まずに済むのかなぁ?

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