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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2008/06/15(日)   CATEGORY: 短篇小説
青×赤。
 それは平凡な風景だった。ありきたりな授業風景。至って平凡である。
 その授業を受ける生徒の中に両眼に青の瞳を持つ少年がいる。その瞳を除けばどこにでもいそうな中学1年生だ。

 教室のドアが開いた。担任が若い男を一人連れて教室へと入ってきた。
 見た目から想像するに男は大学生くらいに思える。そしてその印象は好青年といった感じである。
「えー、今日から教育実習としてみんなと過ごすことになる×× ××××君だ」
 そう言われて男は自己紹介をした。その話しぶりからもやはり好青年である。
 青い瞳の少年は、左眼の置くがズキズキとした。少し頭痛もする。少年は少しの間、両眼の瞼(まぶた)を下ろした。そして次にその瞼を上げたとき、彼の左眼はギンギンと赤く染まっていた。

***

 放課後、少年は教育実習生だという男を引きとめた。
「たしか…××君だったかな?」
 男は気の良さそうな声でそう言った。少年はよく自分の名前を憶えているな、と少々ながら感心した。
 「そ、そんなモノどうするんだ!?」
 突然、男は驚きと恐怖の混ざったような叫びに似た声をあげた。しかしそれも無理はない。少年の右手には、少年の小さな手には不釣合いなほど大きなナイフが携えられていたのだ。
「僕にはわかるんです。先生が何なのかが」
 男は少々ながら動揺を見せた。
「何を言ってるんだい? 俺にはよくわかんないんだけど…」
 少年の左眼は燃え盛るような炎のように赤々としていた。
「この眼、見えますよね。この右眼の赤い瞳が」
「あ、ああ…」
「僕の眼は特殊なんです。元々の瞳の色は両眼とも青なんです。まるで外国人みたいに。
それが先生のような“モノ”を前にするとこの右眼だけが今みたいに赤く変わるんですよね」
 今度は完全に動揺した。もし、話が本当ならば完全に正体はバレている。
 男の両眼が赤黒く変色し始めた。肌の色も浅黒く変わり、耳はエルフを思わせるようにとんがり始めた。口元には牙のようなものも見える。
「やっぱりそうだったんですね」
 男はもはや異形と化していた。鬼か悪魔か。いずれにしろもう人間ではない。
 少年は駆けた。そして男に向かって右手のナイフを突き立てた。廊下に血が飛び散る。男は自分の腹から生えているナイフを見た。そしてそれを引き抜いて投げ捨てた。

「オマエ ナニモノダ?」

 恐ろしいくらいに低い声だった。少年はそれに答えず、彼の右手に置いてある消火器を手にした。それで男を殴る。男は低く呻いた。
 男が両手で少年を捉えようとすると、少年は消火器の黄色い栓を抜き、ホースを男に向け、レバーを引いた。ホースの先端からは白い霧のようなものが噴出される。男はそれをもろに浴びて、少しひるんだ。両眼に噴霧されて目に沁みる。鼻や口にも入ってきてむせ返る。しかしながら男はどうにか踏ん張ってその場で堪えた。
 男はやっとのことで両眼を見開いた。すると目に入ったのは少年の赤い瞳である。男はそれを見つめた。たったの数秒だったと思う。気付けばいつの間にかに男の身体は燃えていた。男はすぐにその熱さにもがいた。しかし炎は燃え上がる一方だ。
「言い忘れてましたけど、僕の赤い瞳はあまり見ない方がいいですよ。見つめ続けると体が燃えちゃいますから」
 少年の声は男には届いていない。男は燃えている体を何とかしようと必死だったからだ。
 次の瞬間、男の顔を冷たい触感が襲う。それは次第に痛みとともに熱を持った。男の顔にはナイフが刺さっていた。それは男の脳にまで達していて、男がそれに気付いたときには、男は床へと倒れ込んだ。


<萬紅堂にて>
匡介「あー、こんなのも書いてたんだなぁ」
小町「店長、なんで登場人物の名前が××で表されてるんですか?」
匡介「んー? 考えるの面倒だったから」
小町「!?――つまりテキトーに書いたやつなんですね」
匡介「まァ ほんと暇潰し程度に書いたやつだからなぁ」
小町「そんなのよく載せれましたね」
匡介「まぁ、せっかくだしね」
小町「本当にテキトーですね。やれやれ」

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COMMENT

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神田夏美 | URL | 2009/06/22(月) 20:25 [EDIT]
少年の設定が面白いですねー、普段は青い瞳なのに、人間ではないモノを見ると赤い瞳になる。そして、その瞳を見つめると燃えてしまうという設定、短編ながら見事で、普通に連載できてしまいそうですね。
テキト―に書いたとのことですが、面白いですよ。

匡介 | URL | 2009/06/23(火) 01:21 [EDIT]
>神田夏美さん
再びどうも。あ、…長く書くとボロが出るので(笑)
おそらく「瞳を見つめると燃える」という能力が先行してあって、本当は連載ものに使いたかったんだったと思います。だけど全然思い浮かばなくて(笑)、それで(授業中に)テキトーに考えた即興短篇として書いてみたはずです。アクションシーンが苦手なので、そういう試験的な意味合いもあったような。
読み返してみると、確かに話を広げていけそうで、もしかすると今後長篇化するかもしれませんね。あるいはこの能力が別の作品で登場するかもしれません。

何か久し振りに過去作品を読み返すと新鮮だなぁ(笑)

コメントありがとうございますね♪
● 青×赤、読みました
神瀬一晃 | URL | 2010/01/27(水) 11:39 [EDIT]
 ども~。今日もやって来ました、神瀬一晃です。

 過去の俺のコメント……何故か名前が“純裕”となっているのですが、本当は“一晃”です。
 何故昔使っていたHNの名前になっているんだろうw 苗字はちゃんとあってるのにw

 ということで、こちらの作品も読ませて頂きました。
 なにやら、学園ファンタジー+戦闘ものの作品か、と思ってワクワクしながら読んでいたら……短かったw 残念w
 まあ、暇つぶし程度に書かれた作品、ということらしいので、深く求めてはいけないのだろうかw

 と、まあ。純粋に面白かったですw

 あ、そうだ。
 萬紅堂さんの名前って匡介っていうんですよね? どっちの名で呼んだらいいんでしょうか?

 あと、折角なので、相互リンクをお願いしても良いでしょうか?

匡介 | URL | 2010/01/28(木) 09:14 [EDIT]
>神瀬一晃さん
あ、ですよね!
チラッとブログにお邪魔したら名前が違っていたのでアレ?って思っていたところです(笑)

すみません、おそらく基本的にどれも短いです。
どれも暇潰しといったら、まあ、そうなってしまいますし(汗)

なので、もうそういうものだと思って読んで頂けると嬉しいです。
…というか上から順って怖い!! ありがたいけど、怖いです(笑)

そうです、匡介っていうんですが、そこはご自由で構いませんよ。
あとリンクの件はこちらからもぜひお願いします。

改めて、これからよろしくお願いしますね♪

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