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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2008/06/11(水)   CATEGORY: 爆音デイズ
爆音デイズ(13)
 メールの着信音が鳴った。龍次はケータイのディスプレイの目を落とす。メールはブラッドオレンジスの孝幸からだった。
 メールの内容を見た龍次は、急いで愛車デュオのエンジンをかける。それは三井透の目撃情報だった。龍次はフルスロットルで現場へと向かう。

***

 僕のケータイが鳴った。僕は電話に出る。もしもし。「俺、健吾だけど。どうしたの? 今、龍次がものすごいスピードでスクーター飛ばしてったけど、何かあったのか?」
 哲郎さんがバイクに乗るところが見えた。僕は駆けていって声をかける。そして事情を話してバイクの後ろに乗せてもらうことにした。僕らは龍次が向かう先へと向かった。

***

 喫茶店「あおぞら」から200メートルほど先に行ったところに三井透はいた。
僕が着いたときには、三井はすでにボロボロだった。もう龍次に嫌というほどぶちのめされたあとだったからだ。龍次は三井の前に立ち、やつと何かを話している。
「ありがとうございます」
 僕は簡単に礼を言い、哲郎さんのバイクから飛び降りた。そして龍次のもとへと駆け寄る。しかし反対方向からも同じような影があるのに気付く。誰かが龍次に近づいていた。手には銀色に光るバタフライナイフ。それは澤田海人だった。
 澤田が龍次を飛びかかった。それは三井を助けるためだったのか、それとも龍次への報復のつもりだったのかはわからない。龍次は澤田のナイフを避けた。そして構える。いつものボクシングのファイティング・ポーズ。澤田のナイフ攻撃を見事に避けながらボディブローを打ち込んだ。だけど龍次の攻撃は失敗をし、澤田のナイフが龍次の右腕にめり込んだ。

***

 気付いたら澤田は車道へと吹っ飛んでいた。周りに車の姿はない。
 龍次の前に立っているのはエクスタシーのゾンビヴォーカルだった。ココさんは車道に倒れた澤田に飛びつきマウントポジションでひたすら殴った。澤田の鼻からは血が流れる。口からも。澤田の顔が元の倍サイズに整形されてもココさんは殴る腕を止めなかった。
 もし、あそこまで顔の原形をなくしたがる人がいるとすれば、それは全国指名手配犯くらいのものだと思う。
「もういいだろ?」
 龍次はそばに寄って、ココさんの腕を押さえた。
 ココさんは泣いていた。なぜかはわからない。しかし深い悲しみの涙を流していた。
「もう、仇はとれたろ?」
 龍次はすべてをわかっているようだった。
 ココさんがなぜあんなにも深い悲しみと怒りに身を包んでいるのかも。
「レイコさんを傷つけられたのが許せなかったんだよな」
ココさんは少し変わっている。けれど人一倍に仲間を大切にする人だったのだ。
 このとき龍次は油断していた。もはや澤田の戦意は喪失しているのだと思っていたのだろう。その隙を突いて澤田はずっと握りしめていたナイフでココさんの顔を切り裂いた。ココさんの顔面からは血が吹き出る。
 とっさに龍次は動こうとしたけれど、ココさんの方が早かった。血を吹きながら澤田の手からナイフをもぎとった。そして澤田にナイフを向ける。次の瞬間、澤田からも血が吹き出る。
 あたりは血だらけとなった。

(...to be continued)


<作者のことば>
物語は着実に終焉へと向かっています。

てゆーか、次回が最終回です。
もう少しだけお付き合いくださいませ。

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