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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2008/10/29(水)   CATEGORY: 短篇小説
有島奇亜人の憂鬱(5)
 有島が消えて数日が経つ。その間も名無はひとりで石橋宅の見張りを続けていた。有島が何かに気付いたあと、それに意味があるのかどうかはわからないが。
 名無が本の整理をしていると、ノックもなく事務所のドアが開いた。そしてのっそりと有島が入ってくる。少しやつれたか? 目の下は濃い隈(くま)が出来ていた。
「どこに行ってたんですか?」
 名無は訊くが有島は答えない。
 今は話しかけるなとでも言うように彼は手で追い払うようなアピールをすると、いつもベッド代わりになっているソファに倒れ込み、あっという間に深い眠りに落ちてしまった。
 名無は困ってしまったが、どうすることも出来ないし、仕方なく本の整理を再開した。きっとそのうち目が覚めるだろう。

***

 時刻はもう真夜中。有島が事務所に戻ってきてすでに10時間近くが経っていた。しかし彼はまだ熟睡している。
 どうしようもないので、名無ももう寝ようかと思っていたところ、有島がむくりと半身を起こした。何てタイミングが悪いんだろうと名無は思った。
「今は……何時だ?」
 眠そうに有島が訊ねた。
「えっと、もうすぐ12時です」
「真夜中の、か?」
「真夜中の、です」
 それを聞いた有島は大きく伸びをし、自分の目を覚まさせた。そして立ち上がる。
「名無、出掛けるから準備をしろ」
 そう言って事務所の奥へと消えていった。


<作者のことば>
今回は非常に短くてすみません。
代わりに次はものちょっと長いです。やっぱりすみません。

出来れば一度に読みやすい量に分けたいんですが、区切りのタイミングを考えるとどうしても。

だけど読んでもらえるとすんごく嬉しいです。

←頑張れ!的なclick!!
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COMMENT

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日呂 | URL | 2008/10/29(水) 18:12 [EDIT]
お久しぶりです。
話が進んでますね♪
読んでるうちにめっちゃハマっちゃいました★

匡介 | URL | 2008/10/30(木) 17:53 [EDIT]
>日呂さん
それは本当に嬉しいです♪
そう言ってもらえるとすっごく励みになります!

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