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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2008/06/08(日)   CATEGORY: 爆音デイズ
爆音デイズ(10)
 ブラッドオレンジスの2人にはセブンスターが拠点としているライヴハウスの場所を教えてもらうことに成功した。ケンはこれからシンさんのところへ行くらしく、僕らは別行動になった。
 目的のライヴハウスへ向かっているところで、偶然レイコと会った。
 僕が事情を話すと、レイコはついてきてくれることになり、僕とレイコは20分ほどバスに揺られてから地上に降りた。僕らが降りたバス停から5分ほど歩くと目的のライヴハウスが見えてきたが、そこは多少わかりにくい場所にあった。人通りは少ない。
 このとき僕が油断をしていなければ、あんな悲惨な結果にはならなかっただろうと思う。すべては僕のせいだ。このときのことは、ずっと後悔している。

 ガツン。僕は後頭部を殴られて地面へと倒れこんだ。意識が薄れゆく。夏のアスファルト上に陽炎がゆらめいているのが見えた。


****

 龍次が爬虫類男を連れてタクシーを降りる。もちろん料金は爬虫類男が払った。
 澤田が向かったというライヴハウスは、大通りから離れていて人通りの少ないところにあった。ライヴハウスの入口手前で、龍次は足を止めた。龍次の立つ場所から50メートル離れたところに、龍次の目には地面へと倒れ込む義之の姿が見えたからだ。
 爬虫類男を置いて龍次は走った。義之のとなりにはレイコの姿が確認できた。そしてそれを囲む3人の男。その中に懐かしい顔がひとり見える。左耳にぶらさがるのは赤い眼の蛇。
 走る龍次にひとりの男が向かった。そして迸(ほとばし)る銀の閃光。
 龍次はそれを避(よ)けた。ナイフを持つのは茶髪に切れ目の男だった。龍次はファイティング・ポーズをとって、ナイフ男と対峙する。
 流れる短い沈黙。先に動いたのはナイフ男だった。龍次は半歩下がり、男のナイフは龍次の鼻先をかすめた。龍次は地面を蹴って一気に間合いを詰め、そして得意のワン・ツー。それは見事に命中した。ナイフ男の顔がゆがむ。トドメにわき腹に一撃を食らわせ、男は倒れた。
 仲間のひとりが倒れたのを見て“蛇の男”は構えた。連戦の龍次は少しばかり息が荒く、勝負は短期決戦であると予想された。先ほどのナイフ男と同様にスピーディーに倒さなくてはならない。龍次の額からは汗が流れた。
 いつの間にかに龍次の背後には爬虫類男が立っていた。それに気付いて龍次は男から離ようとしたが、しかし“蛇の男”はそれを防ぐために前に出る。龍次のジャブで“蛇の男”はひるんだが、龍次は背後の爬虫類男に捕まってしまった。そして蛇男の一撃。龍次は呻いた。

***

 僕が意識を戻して目を開けると、そこには満身創痍の龍次が立っていた。そして龍次の足下(あしもと)には2人の男が倒れている。そのうちひとりは見覚えがある“蛇の男”だった。
「よう、やっと目を覚ましたか」
 後頭部がズキズキと痛んだ。
 となりを見るとレイコが倒れていた。腕からは血が流れている。ナイフで切られたかのような傷。
「とりあえず、病院に行くか?」
 そう言って、龍次は苦笑した。


(...to be continued)


<作者のことば>
龍次は不意打ちに弱い。

(笑)

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