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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2008/09/15(月)   CATEGORY: 短篇小説
平成妖異奇譚(1) 「神宮寺ノ日記」
 僕、神宮寺 紀彦は妖怪が視える。
 というと勘違いをさせてしまう可能性があるので補足をしよう。

 僕は万事万象を妖怪に置き換えて見てしまうのだ。

 例えばの話をしよう。
 昼間、誰も居なかったはずの部屋に入るとさっきまで誰かが居た気がしてしまう。

 ――ああ、さっきまで“ぬらりひょん”が僕の部屋に居たんだな。

 つい僕はそう思ってしまうのだ。
 ちなみに“ぬらりひょん”とは老人の姿をした妖怪で、人が留守の間に勝手に家へと入り、ゆっくりと寛(くつろ)ぐと帰っていってしまう、といった妖怪だ。無害で、特に何をするわけでもない。ただ人の居ぬ間に家へと忍び込むだけの妖怪である。
 トイレへと入れば、そこには“加牟波理入道(がんばりにゅうどう)”が居る気がしてしまう。“加牟波理入道”とは厠(かわや)に現れる妖怪のことで、やつは厠に訪れる人間のことをそっと後ろで覗いている。
 僕は決して後ろを振り向くことなどしないのだが、しっかりとその存在を感じ取り、見てもいないのにその姿を確認して気になってしまうのだ。
 それが、僕が妖怪を視ることが出来ると云う所以(ゆえん)なのである。
 居ないはずの“モノ”を視てしまう。それがこの僕の特別なところだ。人は僕を頭がおかしいというのだけれど、そんなことはない。きっと彼らは確かに存在するのだ。僕はそう思う。
 世の中には不思議なことが沢山ある。そしてその大半が妖怪の仕業なのである。


<作者のことば>
当初はシリーズとして長く書こうと思っていたが、現在は未完で放置されている。
おかけで載せるかどうか悩んだ。
けれど、未完でも一応問題なくは読めると思うし、何せ載せる小説がない!! …結果、採用。

妄想癖のある主人公・神宮寺紀彦。
彼はありとあらゆるものに妖怪の可能性を見出してしまう。
そんな彼は自身の意思とは関係なく事件に巻き込まれ――。

…という発想は、ただ単に妖怪をいっぱい出したい! という思いから生まれました。
書いてたときはかなりの自信作だったのだけれど、時間を置いて読み返してみるとそうでもないかな。

まぁ 少しの間、お付き合い願えれば幸いです。

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COMMENT

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凪水月 鏡花 | URL | 2008/09/15(月) 18:26 [EDIT]
いろんな妖怪、知ってますよね。
ぬらりひょんは知ってましたけど、加牟波理入道って初耳でした。
がんばってください。応援してますので。

Yuka | URL | 2008/09/16(火) 05:23 [EDIT]
妖怪は恨み言を言う幽霊と違って好きな怪物達です><
ぬらりひょんさんの為にお茶を出しておいたり お菓子を置いておけば、何故か受け取った記憶の無いお土産がお部屋にあったりしませんか?w

匡介 | URL | 2008/09/16(火) 11:50 [EDIT]
>凪水月 鏡花さん
妖怪好きなんです(笑)
ぬらりひょんはかなり有名なので、比べたら加牟波理入道はだいぶマイナーでしょうね。これは神様に近い妖怪なんです。
応援ありがとうございます。頑張りますねー。

匡介 | URL | 2008/09/16(火) 12:05 [EDIT]
>Yukaさん
実は未だ「幽霊」と「妖怪」の線引きが出来ていないです。でも怨念が妖怪化したものもいますし、一概にそうとは言えないでしょう。
ちなみにお茶やお菓子を用意したことはありません(笑)

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