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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
Cofee Break ~常連~
 保健室では京介と舞子が談笑をしていて、その横では順平が本を読んでいた。
 本を読んでいるときの順平の集中力は凄まじいもので、そのときばかりは彼の耳に周りの声すら入らない。だから二人は順平のことなどお構いなしでお喋りを続けている。

 突然、保健室のドアが開いた。
 順平はそれに気にせず読書を続けているが、京介と舞子はお喋りを中断して、今さっき入ってきた来客に目を遣った。すると、そこには高校の二年生にあたる女子生徒、高田美香が立っていた。
「あら、今日もお出ましね」と舞子。
 京介は席を立ち、ポットでお湯を沸かし始めた。
「今日は何にしますか?」
 そう京介が訊くと、美香は笑顔で自分の後輩の問いに受け答えた。
「もちろん今日もおまかせで」
 美香のその言葉を予想していたのか、京介はもう豆選びに入っていた。
「毎日毎日、京介君も大変ね」
 舞子がそう言ってコーヒーを啜(すす)った。
 京介は豆を選び終えたようで、それをコーヒーミルで挽いていく。
「今日は何にしたの?」
 美香がそう訊いた。
「今日はブルーマウテンにしましょう」
「あれ? 意外と普通だね」
「新しく仕入れたばかりなので美味しいですよ」
 京介はにこやかに微笑み、蒸らし作業へと入っていく。
「へぇー。やっぱ新しいと美味しいの?」
「豆は仕入れてから早いうちに飲んじゃった方が美味しいんです」
 そう言いながら、京介は自身の持つ懐中時計を眺めていた。蒸らしの時間を計っているのだ。
「だから一度にあまり多くは仕入れませんよ。短い期間で使い切れると思う分だけ仕入れてます」
 それにしてもここにある豆の数は多すぎるようにも思えるけれど、京介の淹れるコーヒーを求めて保健室に訪れる人が多いせいもあり思いのほかそうでもない。
「はい、出来上がりです」
 京介は淹れたばかりのコーヒーをカップに注ぎ、美香に手渡した。
「ありがと。これが美味しいんだよなぁ」
 美香は満足そうにそう言ってカップに口をつけた。


<作者のことば>
このシリーズは一応「連作」というカタチになっているのですが、そのうち短篇集みたいにしようかなって思ってます。
別にそこまで既存のキャラクターにこだわることもないかな、と。

Cofee Breakのキャラクターを見放すわけではないけど、
「コーヒーにまつわる短篇」ということで、もっと自由に書いていきたいなぁ。

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レモン | URL | 2008/09/08(月) 13:55 [EDIT]
こんにちは!
こんな保健室だったら・・・私も毎日通いたいです^^

匡介 | URL | 2008/09/08(月) 22:13 [EDIT]
>レモンさん
こんな保健室、学校的にはどうでしょう?(笑)

錆浅葱 | URL | 2008/09/08(月) 23:16 [EDIT]
いいなぁ~
こんな場所あったら楽しく登校しますっ(笑)
まぁ…私はコーヒー飲めないんですけど(-_-;)
短篇集ですか♪楽しみですね(^◇^)

匡介 | URL | 2008/09/09(火) 00:02 [EDIT]
>錆浅葱さん
昔に書いたものに感想があると何か恥ずかしいですね(笑)
ちなみにまだ出てきてはいませんが、コーヒー飲めないキャラクターもいます。あと実はこの保健室では紅茶も飲めます。

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