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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2008/09/06(土)   CATEGORY: 「怪奇蒐話」
「メール」
僕には2つ上の兄貴がいる。
その兄貴が行方不明になってから1週間が経った。

どこへ行ったのかはわからない。
家族とも仲が良かった兄貴。僕は兄貴が家出したとは思えない。


ヴヴヴヴヴヴ…


ケータイが震えた。
僕はケータイを開いてディスプレイに目を落とした。


メール着信1件


驚いたことにメールは兄貴からだった。
僕は急いで返信をした。兄貴、どこにいるんだ!


『助けてくれ』


何のことかはよくわからない。
けれど兄貴はきっと何かの事件に巻き込まれているんだ。


『たすけてクレ』


僕は兄貴にどこにいるかを訊いた。
しかし返ってくるのは「助けて」の文章だけ。


『学校』


学校?
兄貴は今、学校にいるというのだろうか。


『キテ』


僕は急いで学校に向かった。
もう時刻は夕方で、空は暗くなってきていた。

学校に着いた。
僕は学校の中へと入った。兄貴は今どこなのだろう?


『2階』


兄貴のメールの通り僕は2階へと向かった。
しかし2階を一通り見回ったけれど兄貴がいる様子はない。


『ろうか、つきあたり』


僕は言われるがままに廊下を進み、
つきあたりにある掃除用具の入ったロッカーの前で止まった。


『マエ。』


前?


『ロッカー、なか』


僕は恐る恐るロッカーを開けた。
中にはすでに死んで冷たくなっている兄貴が入っていた。


***


警察の調べによると兄貴は行方不明になった当日にはもう死んでいたらしい。


じゃあ僕にメールしたのは?


ロッカーの中に入っていた兄貴の手には、
がっしりと兄貴のケータイが握られていた。


<作者のことば>
別に自分のことを褒めたいわけではないですが、結構前に書いたわりには良い文章だな、と思いました(笑)
「怪奇蒐話」はシンプルにホラーを追求したいと思って書いてるのですが、今回は文章に無駄がなく、簡潔で、でもわかりやすい。なんて思いました。…ええ、自慢かもしれないことは否定しません(笑)

書いたときはそんな良い出来だとは思わなかったんだけど、読み返してみるとこのシンプルさが良い。

でもホラーとしてはあまり上出来ではないですね(笑)
今後もシンプルな“怖さ”を追い求めていきたいと思います。

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COMMENT

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錆浅葱 | URL | 2008/09/06(土) 23:25 [EDIT]
よ…夜道を歩きながら読むべきではなかった~orz
シンプルで読みやすかったが為に素直に、怖いっo(><)o

小走りで帰ります(笑)

Yuka | URL | 2008/09/07(日) 01:03 [EDIT]
シンプルさ! 私の説明しまくらないと、文として成り立たない所があって・・・ うーんでもコレ採ったら(←漢字違うかも)なんにも残らないんですよね(´;ω;`)ウッ…

最後
『兄貴の手には携帯のアンテナが刺さっていた・・・ 』
なんてどうでしょう! 
● こんばんは
森野帽子 | URL | 2008/09/07(日) 23:19 [EDIT]
シンプルかつ想像が膨らむホラーですね。
じんわり怖さが増してくる。
淡々と描き出された方が実は怖いと思うのです。
では、また。

匡介 | URL | 2008/09/07(日) 23:21 [EDIT]
>錆浅葱さん
あぁ! まさか夜道で読まれるとは!!(笑)
でも夜道が舞台じゃないだけよかったかと(笑)

匡介 | URL | 2008/09/07(日) 23:24 [EDIT]
>Yukaさん
アンテナって…直接送信ですか!?(笑)
えーと、修飾を増やしていくのもアリですよ。それは自身の文章スタイルによると思います。
ただ今回はホラー イズ シンプルを意識しているという話ですよ。

匡介 | URL | 2008/09/07(日) 23:26 [EDIT]
>森野帽子さん
ありがとうございます。
まさに「シンプルかつ想像が膨らむホラー」を目指しているので嬉しいです。

またのお越しをお待ちしていますね。

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