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みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2008/09/03(水)   CATEGORY: 短篇小説
キラー・マシンガン!(後編)
 サンスとハリーは走っていた。屋敷の奥へと続く廊下をひたすら走った。
「彼女たち、殺さなくてよかったのかい?」
 走りながらハリーが尋(たず)ねた。
「武器さえ奪えば、そこらの子どもと一緒だろ?」
 シズカとマイはサンスたちによって武器を奪われ、気絶させられたのだ。
「そうだね。」
 廊下の奥にある大きな扉を開けると、そこには大広間が広がっていた。
「ん?」
 サンスは大広間に一人の男が立っていることに気がついた。
「コルネオ? …なわけないよな。」
 その男は巨大な図体をしていた。身長は2メートルを超えているだろう。その顔にはたくさんの傷が残っていた。特に左目尻と鼻筋のところにある傷は深いように見える。
「待っていた。」
 男は言った。
「待ってたって? この俺を?」
「そう。お前らを。」
 男の手には巨大なマシンガンがぶらさがっている。威力も並大抵じゃないことは明々白々だった。
「こいつ、アレじゃない? 噂の護り屋。」ハリーは言った。
「え? 誰だっけ?」
「ほら、殺しても死なないっていう。」
「ああ! “不死身”か!」
 サンスが言った“不死身”とはこの巨大な男のニックネームである。サンスの“銀色の悪魔”と同じ通り名だ。
「で。実際にお前は“不死身”なわけ?」
 “不死身”の男は何も言わなかった。そして返事の代わりにマシンガンを構え、銃弾を撃ち始めた。
「うおっ!」
 サンスとハリーは大広間にある柱の陰に逃げ隠れた。
「サンスさん、あの人言葉が通じないのかもしれませんよ。」
「そうですね、ハリーさん。わたしもまったくの同意見です。」

 ダダダダダダダダダダダ………

 二人が隠れる石製の柱もあの脅威的な威力を持つマシンガンから発射される銃弾で、破壊されるのも時間の問題だった。
「仕方ねえな」
 サンスは両手に銃を携えた。右手にはオートマチック、左手には巨大なリボルバーの銃だ。彼はゆっくりと深呼吸すると石製の柱から飛び出した。そして“不死身”を狙って撃ちまくる。

 ドンドンドンドン。

 サンスは銃に装填された弾数を撃ち尽すと、別の柱へと隠れた。
「ヤツは本当に不死身なのか!?」
 サンスは我が目を疑うかの如き口調で言った。
「もう何発もヤツにブチ込んでやったぜ? なのにヤツはぴんぴんとしてるのは何でだ?」
「じゃあ、比喩なんかじゃなく、本当に不死身なのかもね!」
 ハリーはそう言ったあと、今度は自分が柱を飛び出した。彼は自慢の射的の腕で“不死身”の額を狙って撃った。それは見事に命中した。しかし“不死身”に額から血は出ているものの、それほどのダメージを受けた様子はなかった。
「本当の本当に不死身かもしれない!」
 ハリーはそう叫んだ。“不死身”がニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
「クッソォ!」
 サンスは叫びながら柱を飛び出した。それに合わせてハリーも別の柱から飛び出した。

 ドンドンドンドンドン。

 大広間に銃声が響く。

 ダダダダダダダダダダ……

 大広間での銃撃は続いた。しかしそれはダメージの受けない“不死身”の一方的な展開に見えた。
「ハリー! お前はさがってろ! ジャパニーズ・サムライガールとの一戦で受けたケガがあるだろ! 足手まといになる前にどっかに隠れてろ!」
 ハリーは言われるままに柱の陰へとさがった。
「このやろォ!!」
 サンスは弾が切れるまで撃っては、柱の陰に隠れて装填を繰り返していた。
「あー! 思い出した!」
 突然、ハリーが叫んだ。
「なんだよ!?」
「“不死身”の体の中には鉄板埋め込んであるって噂があるんだよ! それ本当かも!」
「鉄板だぁ!?」
「それ、額にも埋め込んでるって聞いたことがある! これで納得だよ!」
「じゃあ、俺はどうしろって言うんだ!?」
「わかんない!!」
 サンスは“不死身”向かって突っ込んだ。“不死身”の撃つ銃弾がサンスの体にめり込む。さすがの防弾コートもあの巨大なマシンガンの破壊力には敵わなかった。
「うぉぉぉぉぉおおお!!」
 銃弾を浴びながらもサンスは“不死身”の眼前にまで接近し、コートの内側から手榴弾を投げつけた。
「くらえっ! パイナップル!」
 サンスの投げた手榴弾(パイナップル)は“不死身”の足下に落ちた。そして数秒後、ものすごい爆発が起こった。危機一髪でサンスはその爆発に巻き込まれることなく逃げ延びた。
「ハァッ ハァッ さすがにッ これでッ やったろッ」
 サンスは息を切らしながら言った。
「お見事ー♪」
 ハリーはのん気にサンスの手柄を褒めた。

***

 大広間の奥につながる扉に、いつの間にかに出来ていた大きな穴から爆発の中心にいたはずの“不死身”が現れた。彼は爆風で吹き飛ばされて、扉を破って向こう側までいってしまっていたらしい。
「ヘイヘイヘイッ! そりゃないぜッ!」
 今度の“不死身”が持ってきたのは両腕でやっと支えられるほどのガトリングガンだった。
「お前! それは反則だって!」

 ガガガガガがガガガガガガ………

 ガトリングガンはその銃身を回転させながらものすごい数の銃弾を連射した。

 ガガガガガがガガガガガガ………

 ガトリングガンは石柱などいとも簡単に破壊していく。
 サンスは覚悟を決めた。満身創痍のその体で“不死身”に向かって走り、そして跳んだ。そしてそのまま“不死身”の股下の滑り込んむ。
「これで最後にしてくれよな。グッバイ!」
 サンスは装填されだ銃弾すべてを撃ち切るまで引き鉄を引き続けた。銃口から離れた弾丸は“不死身”の顎下・喉下を次々と貫いていく。サンスが引き鉄を引くのをやめた頃には“不死身”は口や鼻、目からも血を流しながら倒れた。
「やれやれ。本当に厄介なやつだったぜ。」

***

 満身創痍の二人が大広間を抜けて、コルネオのいる部屋へと入った。部屋には白髪の老人、ただ一人だった。
「やっと辿り着いたぜ、コルネオ。」
 コルネオは自室へと入ってきた二人を見た。
「お前が“銀色の悪魔”か。どうやら“不死身”では敵わない相手のようだったな。」
「彼は彼なりに頑張ったさ。」
 コルネオは小さく笑った。
「さて、私の人生もここで終わりのようだ。」
「わかってるじゃねえか。」
 コルネオは最後に自分の命を奪う者の顔を見ようサンスに目をやった。すると…
「お前、お前が“銀色の悪魔”なのか?」
「なんだ? 俺のこと知ってるのか?」
「お前は…ディアブロ……エル‥ディアブロ…。」
 サンスはコルネオの眉間に銃口をあてた。
「懐かしい名だ。」

 ドン。

 ある組織の幹部、コルネオはついのその人生の幕を閉じた。

***

「コルネオを殺った理由はなんだい?」
 ハリーがサンスに尋ねた。
「なんでって仕事だろ?」
「本当に?」
「当たり前だ。依頼があったからに決まってるだろ。」
「コルネオが、キミの妹が殺された原因の一因だったからじゃないのかい?」
 それについて、サンスは何も答えなかった。しかし哀しそうな彼の横顔がその答えのようにも思える。
「さて、無事ここから出れるかな?」
「大丈夫でしょ。この屋敷に“不死身”以上の大物がいなければ。」


<作者のことば>
はい、完結です。
実はこの中では“不死身”がイチバン気に入ってるキャラなのだー。
名前の通りなのですが、不死身キャラが好きです(笑) 映画007だとジョーズみたいな、殺しても死なないキャラクターがどうも好きらしい。

なので今回のイメージはジョーズかもしれない(笑) ←人喰い鮫ではないよ!

いかにも続きがあるようなラストですが、別に続編の構想があるわけでもなく(笑)、映画なんかであるパターンを頂きました(こーゆーのが好きなヤツ)。でもいつかは書きたいなぁ、とも思ってます。

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COMMENT

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momocanal | URL | 2008/09/03(水) 19:21 [EDIT]
こんばんは

はじめまして
履歴見て来ました。訪問ありがとうございます。
萬紅堂さんも小説を書かれているのですね♪
もう、ずいぶんたくさん書かれてますね。
私は、はじめたばかりで、定期的に更新つづけていくことを、
まず、クリアしないとと思っています。
よろしくお願いします。

匡介 | URL | 2008/09/03(水) 20:38 [EDIT]
>momocanalさん
初めまして。わざわざお越しくださいましてありがとうございます。
そうですね、作品数は、もう結構多くなってきたかもしれません。
俺も最初の頃は定期的な更新をしたいと思っていました。今のところはあまり期間を空けずに小説を載せることが出来ていますが、同じくブログで小説を書かれている知り合いの方々も、なかなか定期的に更新することは難しいみたいです。
小説ばっか載せてるとすぐに追いつかなくなってしまうんですよね(汗)

まぁ あまり無理せず気楽に続けることが大事なのかもしれません。

こちらこそよろしくお願いしますね。
同じ物書きの方をお知り合いになれるのは嬉しいので、仲良くして欲しいです。

錆浅葱 | URL | 2008/09/03(水) 22:22 [EDIT]
おいしいっ(>_<)
私 男のコンビ大好きですっ!女の子コンビも好きですが…
読んでて 結構鮮明に脳内でイメージできました♪
戦う場面とか一人脳内アニメーション状態でした(笑)

しかしアクションを文字で表現するのって難しくないですか??

楽しかったです(*^_^*)♪

匡介 | URL | 2008/09/03(水) 23:05 [EDIT]
>錆浅葱さん
アクションシーンは本当に難しいですよぅ!!
そもそもアクションシーンが豊富な小説を読みませんし、どう表現すればいいのかさっぱりなんです。
それでも書くのは楽しいんですけどね(笑) ジャンル幅が広がるように今後もアクション系を書いていきたいとは思ってます。アクションシーンなんかは文章が全然様になってなくて、でもまァ あとは色々書いてみるしかないだろうと思ってます(今後はアクションが豊富なジャンルの小説も読みたい!!)。

今後も様々なジャンルにチャレンジしていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いしますね♪

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