FC2ブログ
みやび萬紅堂。
かつて小説に似たものが書かれていた所、その残骸。
DATE: 2008/09/02(火)   CATEGORY: 短篇小説
キラー・マシンガン!(中編)
「オイ、ハリー? 俺らはどこかで間違えちまったか?」
「何を間違えたっていうのさ?」
「それは俺にもわからん。」
 サンスは首をかしげた。
「でも、行き着いた先が日本の女子高生だっていうのはオカシイだろ。」
「まあ、たしかに。」
 ハリーは目をやったその先には二人の女子高生が立っていた。その容姿からは彼女らは日本人であると推測した。一人は一般的な女の子のようで、もう一人はなんというか異質だ。
「ああいうのって何ていうんだっけ? えっと、ギャル?」
「さあ? 僕にはわからないな。」
 ハリーは両手の平を上に向けて、お手上げといったようなポーズを取った。
「オイ! お前ら! なんでこんなところにいるんだ?」
 サンスが大声で問いかけた。
「コルネオの趣味かも。」
 ハリーは小言のように言った。
「なるほど! あのじいさんの女ってわけか!」
 サンスは納得したという感じで、彼女らを見つめた。
「さっきから言わせておけば! 失礼なやつぅ!」
 小麦色の肌をした方が言った。
「お前らはコルネオの相手をしてればいいからさ。お願いだから邪魔はしないでね。」
「ここは通さないも~ん!」
 マイはあっかんべーをしながら言った。
「いいよ、勝手に通るから。」
 サンスが通ろうと前に進むと、シズカが一歩前に出た。そして持っていた長い布袋から日本刀を取り出した。
「オイオイ、そんな物騒なモンどうするんだ!?」
 サンスは目を丸くする。
「ここから先へは通さないわ。」
 シズカは一瞬で鞘から刀身を抜き、その勢いのままサンスに斬りかかった。いわゆる居合いの形だ。サンスは一歩飛び退(の)き、それをわずかな差でかわした。それは文字通り目と鼻の先をかすめた。
「サンスッ! 危ない!」
 ハリーが叫んだ。間一髪でシズカの攻撃を避けたサンスに次なる魔の手が襲いかかっていた。円状の刃<チャクラム>がサンスに向かって飛んできていたのだ。それも二枚も。ハリーはサンスを押し倒してチャクラムからサンスの身を守った。しかしそれはハリーの右肩をわずかながらに斬りつけていった。
「嬢チャン、変わった獲物を使うね。」
「おかげで僕はケガをしちゃったよ。」
 サンスとハリーは互いの顔を見合わせる。
「どうする?」
「女の子にケガさせちゃうのも忍びないよね。」
 二人がそう話しているときに、マイはどこからか取り出したクナイを二人に投げた。
「くらえッ!」
 それをハリーは冷静に見定めて、銃を構えた。そして連射する。二人に向かうクナイはすべて宙で撃ち落された。
「アブナイなぁ。」
 自分のクナイをすべて撃ち落されたことに驚きを隠せないマイだったが、どこか笑みを浮かべているようにも見える。
「ハリー! 後ろだ!」
 ハリーは振り返ってみると、さっきかわしたはずのチャクラムがブーメランの要領でUターンをし、再びこちらに襲いかかってくるではないか!
「うわっ!」
二人は驚いたが、冷静さを欠かなければこの二人にとっては何のことはない。彼らはその抜群の動体視力でチャクラムの中心部分に空いた穴の部分に指をかけて、チャクラムの動きを止めた。
「なんでー!?」
 マイは叫ぶ。
「お前らとはレベルが違うんだよ。」
 サンスは一瞬でマイに接近した。マイは反射的にクナイを投げたが、それは全部ハリーの早撃ちによって撃ち落された。サンスがマイに手を伸ばすと、マイは隠していた短刀を出して、それで斬り上げた。それをサンスは銃身で押さえ、マイの腹部にパンチを一発お見舞いする。そして次の瞬間にはマイの額(ひたい)に銃口を押しつけた。

「これは遊びじゃないんだぜ? この世界じゃ命なんて簡単に散るものさ。」

 サンスの言葉とその眼光はおそろしいほどに冷酷だった。
「ああ、あぁ。あぅ」
 マイは脱力するように崩れ、思わず失禁をしてしまった。これまで感じたことのない強すぎる殺気に耐えられなかったのだ。
「こんな簡単に漏らしちまうベイビーにゃ、この世界で生きていくのは無理だな。」
 サンスが言い終わろうとしたそのときに、彼の背後で銀色の閃光が奔(はし)った。それをハリーが銃身を使って受け止めた。シズカの日本刀は銃身の半分を切り裂いた。
「これじゃあ、もう使えないね。」
ハリーは右手に持った銃を放し、素早く懐からもう一丁の銃を取り出した。それをシズカの後頭部にあてる。
「チェックメイトだね。」

***

 勝利を確信したハリーが一瞬気を抜いた瞬間にシズカはハリーの銃を弾いた。そのままハリーを斬りつける。ハリーはそれを紙一重でよけて、シズカから離れた。シズカは壁を走り、宙に舞った。そしてハリーの頭上めがけて刀を突き立てた。ハリーはそれをまたもや間一髪のところでよけた。
 ハリーは弾かれた銃を取り戻そうと床に転がる銃に向かって走り出した。シズカがそれを追う。床に転がっている銃にハリーが飛びついた。シズカはもうすぐ後ろにまで来ている。ハリーは起き上がり銃口を彼女に向けようとしたが、それより早くシズカの剣が唸った。ハリーの左腕が斬りつけられた。そして床に手をついた。

 ドン。

 その鈍く低い銃声とともにシズカの日本刀の半身が宙を舞った。サンスが彼女の刀を撃ち抜いたのだ。
「今度こそ、チェックメイトだね。」
 ハリーはゆっくりと立ち上がり、シズカの額に銃口をあてた。


<作者のことば>
当初は舞の武器はチャクラムなんかじゃありませんでした(たしか)。
えーっと、なんだったっけかなぁ? 武器の形状の説明が難しくて、比較的ポピュラーなチャクラムに変更した覚えがあります(じゃあチャクラムは日本人の認識でメジャーかっていうと、やっぱマイナーかなぁ)。

ちなみにマイとシズカはお互いを呼ぶときだけ「舞」「静」と漢字で表現しているのが小さなコダワリ。
舞台が(作者自身どこかわからないけれど)外国なのでカタカナ表記にしてます。だけど日本人の2人のセリフだけは漢字表記、と。
…まぁ 読み返してみたら漢字になってるところは各1回ずつだけだったけど。

←Click me!!
[ TB*0 | CO*0 ] page top

COMMENT

 管理者にだけ表示を許可する

TRACK BACK
TB*URL
Copyright © みやび萬紅堂。. all rights reserved. ページの先頭へ