みやび萬紅堂。
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DATE: 2012/10/09(火)   CATEGORY: 雑記
no title.
MUKUROを進めようとするも、諸々の作業が大変で進まない。


完結までの道のりを思うと、
すでに心折れそうになるな…。


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DATE: 2012/10/05(金)   CATEGORY: MUKURO・煉獄篇
MUKURO・煉獄篇-41 (Epilogue:黄昏)
 瓦礫の山を乗り越えた亮太郎は、沈みゆく太陽を見た。
 眼前では巨大な塔が逆光でシルエットとなって、亮太郎の前に立ちはだかる。黒に染まったその塔身は何か不気味なものを暗示しているように思えた。――それでなくとも、野坂の不在は亮太郎たちの先行きを暗くする。頼るべき支柱を失った自分らはこれからどこへ向かえばいいのだろう? 世界が変貌(かわ)ってしまってから、亮太郎はずっと野坂と一緒だった。
 その野坂も死んだ。
 黒く巨(おお)きな獣に、いとも容易く喰い殺されてしまった。
 ――ずっといてくれると思ってたのに。
 目頭がカッと熱を帯びた。同時に父と母のことが脳裡を過ぎり、亮太郎の眼から涙が零れる。誰も彼もが死んでいった。きっと父さんも母さんもすでに生きてはいない。もしこの先生き延びたとして、そこで何が待っているというのか。――亮太郎の心はボロボロだった。極限の恐怖と緊張に晒され、多くの死を目の当たりにして、亮太郎の精神が限界でないはずがない。彼はまだ子供なのだ。本来ならば、誰かに護られて然(しか)るべき存在なのだ。
 現実は、あまりに非情に、無力な子供を地獄に放り込んだ。
 彼らが何をしたというのか。まだ生きる術(すべ)も知らず、抵抗する力もない。こんな地獄に投げ込まれるほどの罪すらないのに、これほどまで脆弱な存在を悪魔の前に差し出すとは、あまりに慈悲がない。現実は、彼らに無慈悲すぎた。
「行こう」
 雄大がみんなに声をかけ、歩き出した。向かう先には、天上を突き破るほど高き塔。何があるかはわからないが、あの塔にまで行けばきっと何かある。そう信じて。
 亮太郎はグッと歯を食いしばり、涙を堪える。
 そして今、一歩踏み出し、みんなのあとを追って歩きはじめた。


(to be continued to Part:Apocalypse...)    
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