みやび萬紅堂。
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DATE: 2010/05/23(日)   CATEGORY: 雑記
小さな変化/胎動する物語。
静かに、物語は息衝いている。

弱弱しく確かに。

でも力強く、脈打っている。

小さなきっかけが、大きなエネルギーになることもある。

転がりだしたそれは、もう誰にも止められない。

いずれそんな速度に達する。

そうして、物語は成長する。

俺はそれに引き上げられる。

俺は物語によって引き上げられる。

もし、俺が物語を生み出しているのだと思われているのなら、それは全くの誤解だ。

物語は始めからそこにあり、そして誰かを待っている。

その誰かが、偶々俺だっただけということのなのだ。

静かに、物語は息衝いている。

弱弱しく確かに。

でも力強く、脈打っている。
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DATE: 2010/05/18(火)   CATEGORY: 雑記
特に言い訳はしない・ZE。
カーテンの隙間から差し込む陽で目覚めた午後 眠気覚ましのシャワー

テーブルの上のパンを一口 乾きたてのTシャツをひったくって履くアディダス

新緑が匂う道を抜けて 波音漂う通りのこと

学校にいるはずのきみがいた

どうしたの? って声もかけられないくらい きみは哀しく海見つめてた

燦々と降り注ぐ陽気がきみを照らして 少し色素の抜けたその長い髪が茶色くなびく

どこかで蝉が鳴いた

ゆっくりと歩み近付く僕ら

どこかで蝉が鳴いた

そんな夏の始まり

それが夏の始まり


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DATE: 2010/05/09(日)   CATEGORY: 雑記
(鮮血/暗闇/青白い/女の/笑みだけが残る)
 彼は両手を紅く染め、ゆらりゆらりと幽鬼の歩調で闇夜を彷徨った。
 今夜は月すら出ていない。彼を、あるいは彼の行く先を照らすものは何もなく、ぬるい夜風だけがゆったりとくっついてくる。血臭がそれに混じって辺りを漂った。
 全ては彼女の為なのだ――
 彼の脳裏に浮かぶのは一人の女。唯一の希望。鮮烈に幻視したかと思えば、女の姿は陽炎のように揺らめき、淡く消えていった。
「ああ、」
 蚊の羽音の如くかすれた吐息。それに混じる声には生気がなく、ただ漏れていくだけのようだった。
 額を流れる一筋の汗を拭う。それと同時に顔が血で汚れた。彼は自分の両手を見る――紅。血の紅。
 彼の口元から名前が零れた。それは彼自身すら聞き取れないほどか弱い声だったが、それでも彼は女の名を呟いた。その女の名前は――


***


 一切の生気を放っていない双眸。どこに焦点を合わせているのかもわからず、もはや亡者のそれに近い。
 彼はもう死んでいる――そう、石動 葉流嗚は思った。彼はもう死んでいる。
 辺りを漂う、胸糞が悪くなるようなこの生臭さは、おそらく彼の浴びている多量の血のせいだろう。
 後方から聞こえてくる蛩。その主が誰なのかは想像に難くない。
「――儀同君」
 急に名を呼ばれて、儀同 真理雄はびくっとした。この男には、背にも眼があるのか――?
「君の考えていることはおおよそ見当がつく。そもそもそんな品のない駆け寄り方をする人間が、他に誰がいるというのだね?」
「品がないって――」
「慌て過ぎだよ。君はいつも落ち着きないね」
 真理雄はどうしたらいいのかわからないといった風に頭を掻いた。
「それで、彼は?」
 頼りない相棒の問いに、葉流嗚はもう一度幽鬼の歩む闇を振り返った。
「……おや?」
 しかしそこにはもう闇だけだった。男の姿はない。
 闇だけが、そこに残っていた。


***


 男が倒れている。その男の頭を膝に載せ、女は男の頭をゆっくりと撫でていた。
 誰かが――来たようだ。
 女は、自分に近付いてきた男二人を見上げ、ふっと笑った。
 儚く、近づくだけで脆く崩れ去りそうな笑み。
「ついに、ここまで辿り着いたんですね」
 黒尽くめの男が女を見下ろした。
 その表情は、陰になっていてよく見えない。
「どうしてそんなに哀しそうな顔をするのかしら?」
 黒尽くめの男の後ろには、やや頼りなさげな男の姿が窺えた。
「あら、真理雄さん。あなたはきっと、わたしを許してはくれないんでしょうね」
 真理雄と呼ばれた男が黒尽くめの男を押し退けた。
「どうしてですか? どうして! どうしてこんなことをしなければならなかったんですか……」
 男の眼には涙が浮かんでいた。
「もう止めにしましょう」黒尽くめの男が云う。「――瑠未歌さん」


***


 進藤 夏二郎の皮膚はまるで蝋のように白く、生気を失っていた。青白い血管が透けて見えた。
 かつての友人の有り様を見て、儀同 真理雄はどうとも云えない感情が湧き上がり、そして渦巻いた。
「気持ちはわかるが、落ち着け」
 石動 葉流嗚は一歩前に出て、堂島 瑠未歌と対峙した。
「瑠未歌さん。あなたのしたことは全てわかっています。――あなたが瀧夜叉だったんですね?」
 女は微笑み、葉流嗚に云う。「ええ、全てはわたしが仕組んだことです」
「あなたは、自分が直接手を汚すことなくこれだけの人を殺めた。もう充分過ぎるほど、お父上の仇は取れたんじゃないですか?」
「煙草を1本いいかしら?」
「どうぞ」葉流嗚の言葉を聞いて、女がどこからか箱を取り出し、煙草を1本摘んだ。それを銜え、ライターの火を点ける。火は煙草の先端に移り、ゆっくりと紫煙を燻らせた。どこか色っぽさを感じさせる手つきだと真理雄は思った。
「そうね。父の仇は取れたのかもしれない」
「もう何もかも終わったんです。だから、その彼をこちらに渡してください」
 女と横たわる夏二郎を囲んでいるのは鮮烈なまでの紅。大きな血溜まりが、辺りむっと血の匂いを漂わせていた。
 女の紅い唇が笑う。
「でも、もう何もかもが終わったというのは間違ってるわ。まだ終わってない。やるべきことが残ってるから」
 甘い匂いが真理雄の鼻腔を突いた。なんとも云えぬ甘い香りだ。
「一体――」
 云いかけて、葉流嗚が不意に片脚をついた。
 どうしたのだろうと真理雄が手を伸ばそうとしたが、体が上手く動かない。意識がぼーっとして、目蓋が重かった。
「これは……」
 立っているのが辛くなって、真理嗚はよろめき、そのまま体勢を崩した。急に床が近くなり、慌てて手を突き出したつもりが両腕は云うことと聞かず、体はそのまま床に倒れ込んでしまった。全身が脱力している。まるで動けない。
 おぼろげな意識の中で、真理雄は女を見遣った。すぐには焦点が合わず、しばらくぼやけた像を見つめた。
 そして――女の紅い唇。
 紅い唇が笑っていた。
 それだけが鮮烈に記憶に刻まれ、真理雄の意識はゆっくりと沈んでいった――。


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DATE: 2010/05/04(火)   CATEGORY: 雑記
海になりたい。
海になりたい。大海の寛容さで君を受け入れたい。
海になりたい。さざ波の優しさで君に接したい。
海になりたい。遠鳴りの潮騒で全てを遠ざけてあげたい。
海になりたい。包み込むような青さを君に見せたい。
海になりたい。白波の速度で君をさらってしまいたい。

だから海になりたい。そう、海になりたい。

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DATE: 2010/05/01(土)   CATEGORY: 雑記
道化と書いてピエロと読む。
嗄れ声の九官鳥が歌う
だけど声は届かない こんなに歌ってるのに
君に向けて歌ってるのに これだけの想い込めて

嗄れ声の九官鳥が歌う
だけど声は届かない こんなに歌ってるのに
君を傷付ける言葉だけ それだけが届いてしまう

嗄れ声の九官鳥が叫ぶ
だけど声は届かない こんなに叫んでるのに

いらない言葉ばかりが鸚鵡返し

君を傷付ける言葉だけ それだけが届いてしまう

嗄れ声の九官鳥は歌う
この声が嗄れるまで この想いが涸れるまで
君に届くときを信じて それだけ信じて歌い続ける



(届かない歌/闇の中の道化)


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